Little birds can remember

音楽との出会い④。

わたくしの音楽嗜好を語る上で欠かすことのできないバンド。The Back Horn

出会いは高3のときでしょうか。
どういう経緯で友達になったかは忘れたけれど、よしふみという変わったお友達がおりました。
彼はいわゆる人気者で、イケメンという種族では決してないけれど、持ち前のユーモアとコミュニケーション能力、そして奇抜なセンスで彼の周りにはいつも人がいたように思います。
本当に、何故仲良しだったのでしょう。


基本的に新しいものに積極的に手を出さないわたくしは、19、ゆず、ジュディマリ、ハイスタ、ゴイステとその他若干の青春パンク以外は聴いておりませんでした。

ある日、 よしふみといっしょに高校最寄りのTSUTAYAに行ったとき。そろそろMDのローテーションに限界を感じていたわたくしは、よしふみにお勧めのアーティストを尋ねました。

そこで彼が教えてくれたのが、イースタンユースハナレグミ、そしてバックホーン。もういっこあったけどなんだったっけ‥後に跡とか歌ってる人‥。

ハナレグミはそのアコギと永積タカシの柔らかさに一聴でお気に入り。

他のものについては、なんだこの叫んでるのこええくらいにしか思ってませんでしたが、とりあえず全部まとめてMDへ。

このあたりで、じいちゃんの7回忌があり、熊本へゆくことに。
熊本空港からじいちゃんの家のある天草まで、バスに乗る。時間つぶしにいつものようにハナレグミを聴く。いいなあ。ハナレグミ。ナタリーのゆるいラップにうとうと。
その後に待ち構える、菅波栄純の歪んだギター。
今までは聴き飛ばしていたけれど、時間つぶしにちゃんと聴いてみるかと。こわいなあ暴力的だなあ。

うとうと。

なんだか聴いたことのあるメロディー。これは魔女宅じゃないか。パクリじゃないかバックホーン。
でも‥めちゃくちゃ綺麗な曲じゃないか。

静かなイントロ。静かな、落ちていくような歌。突然の歪んだ音。感情的だけど、抑えた声。最後に向けて上がっていく演奏のテンション。綺麗なメロディーにのせるシャウト。

何だこれは。叫ぶ音楽って、ただわめいてるだけじゃないのか。

音楽に対する価値観が、大きく変わった瞬間でした。
空、星、海の夜によって、バックホーンと出会いました。

その後は、今まで聞き流してた曲も聞き直して再発見。いいなあ。叫ぶの。こんなに叫んでも変態扱いされないのって、多分歌ぐらいだぜ。

話すことが苦手なわたくしにとって、こんなに強く感情を伝えられるツールは、とても魅力的でした。

バンドやめちゃったけど、大学入ったらもう一度バンド組みたいな。そんでバックホーンやって、思いっきり叫ぶんだ。

そして迎えた、大学一年生、春。入学式を終え、ひしめく部活の勧誘の中から軽音楽部を探す。ふと声をかけてくる、おちゃらけた男の先輩2人組。何と言われて誘われたかは覚えていないけれど、あれは翼さんと順哉さんだった。ついていくと、椅子に座る副主務2人。その後ろではジョニーさんがレスポールをしゃかしゃか弾いていた気がする。

副主務の先輩に、どんな音楽をやりたいのか聞かれ、万を辞して「バックホーンとかやりたいです!!」と、答えた気がする。すると先輩、「あ、俺やってるよー。」と。
この先輩が引退するときに、絶対引き継いでバックホーンやってやると決心した瞬間でした。

長く語りましたね。
ちなみにイースタンユースのよさにきちんと気づくのは、出会ってから4年後くらいですかね。
今では大好きです。

つまり、よしふみくんに出会ってなければ、わたくしがこんなに叫ぶこともなかった、ということです。
元気かなよしふみ。
まだ劇団やってるのかな。

人間プログラム

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